梅雨に増えるダニアレルギーの害

梅雨時期はハウスダストによる気管支喘息が急増

小児喘息のダニによる陽性率

アレルギー外来受診者におけるアレルゲン別IgE抗体陽性率

梅雨になると、気分もどんよりするだけでなく体調の変化を感じることも多いのではないでしょうか。この時期は「梅雨喘息」といわれるように咳が長引いたり、発作が続いたりする人が多く、喘息患者が増える季節でもあります。

とくに子供の気管支喘息の多くはアレルギーが関係しており、その原因(アレルゲン)としてハウスダストが挙げられます。ハウスダストの主なアレルゲンはダニで、チリダニの死骸やフンによるものなのです。ダニアレルギーは、生きているダニだけでなく、ダニの死骸やフンが原因です。死骸やフンは粒子が細かく、吸い込むと気管支まで届いてしまうので、アレルギー反応を起こしやすくなります。

また、気管支喘息のほかにも、アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎などの疾患にも家の中のダニが関与していることが明らかになってきています。さらに、アレルギー疾患で医療機関を受診する患者は増加傾向にあり、家の中のダニとの関連性が問題となっています。

日本の梅雨は高温多湿。脅威のダニの繁殖シーズンがやってきた

屋内のダニの繁殖条件として『温度20~30度、湿度60~80%』『餌があること』『畳やじゅうたんなどに潜って繁殖する場所があること』が挙げられます。そして1日に1~3個の卵を産み、1~2週間ほどでふ化するという繁殖力を持っています。ある調査では、20匹のダニがなんと6週間で150倍の3010匹に増加していました。

特に、日本の梅雨時期は高温多湿となるので最もダニが繁殖しやすいシーズン。6~8月にダニが増加し、9~10月には、その死骸が増えるため、家の中のダニ対策にも力を入れなければならないのです。

呼吸器疾患の原因となる、生活環境のダニを減らすことが大事です

アレルギーは花粉とダニが大きな要因となっています。ダニの死骸や糞は乾燥し空気中に舞いやすく肺の奥まで吸いこんでしまうので喘息などの呼吸器症状を引き起こしやすいです。とくに梅雨以降はダニが繁殖しやすく、気圧の変化によりアレルギー症状も出やすいので気をつけましょう。ダニが多ければ多いほど、吸い込むリスクが高くなるので、換気を行い、拭き掃除や掃除機による掃除で生活環境中のダニを減らすことが重要です。

相良 博典(さがら ひろのり)先生

相良 博典(さがら ひろのり)先生
昭和大学医学部内科学講座(呼吸器・アレルギー内科学部門)主任教授、昭和大学病院 副院長

獨協医科大学大学院医学系研究科修了後、英国サザンプトン大学に留学。獨協医科大学内科学(呼吸器・アレルギー)准教授、獨協医科大学越谷病院主任教授などを経て、昭和大学内科学講座(呼吸器・アレルギー内科学部門)主任教授に就任。現在は昭和大学病院副院長も勤める。日本アレルギー学会理事、2019年の第68回日本アレルギー学会学術大会(東京国際フォーラム開催予定)会長に就任。WHO-GARD Board memberでもある。専門は喘息、COPD、呼吸器感染症、免疫学的呼吸器疾患、臨床アレルギー学、関節リウマチ、慢性咳嗽